海外移住に伴う「私は何者?」という疑問
家族の帯同で自分のキャリアを手放して海外移住した人の多くは、このような悩みに直面するのではないでしょうか。
「日本では○○として活躍していたのに、今の私は何者?」
「もっと社会的な存在意義を感じたい」
「自分の存在価値が低くなった気がする」
かくいう私も、パートナーの転勤で海外移住した一人。
初めて移住した国はブラジルで、ポルトガル語も話せなければ、公立学校の教員というキャリアも継続できませんでした。そのため、移住生活1年目は、
「ちゃんと仕事が見つかるんだろうか」
「一体自分に何ができるんだろう?」
「誰の役にも立っていない気がする」
という焦りを抱えていました。
ですが、この「混沌とした時期」とそれに伴うアイデンティティの揺らぎこそが、人生を大きく変える絶好のチャンスとなったのです。
海外移住でアイデンティティが揺らぐ理由
家族の海外転機に伴う移住により、帯同家族の人生には一種の”強制リセット”がかかります。環境・仕事・人間関係といった、「自分」を形づくってきた外的要素を一度手放すことで、大きな空白と向き合うことになるからです。
私たちのセルフイメージ(自己認識)は自分で想像する以上に、外部のものに規定されています。
例えば、
- 職業的役割:「○○会社の部長として」「○○業界のプロとして」
- 社会的地位:「地域のリーダーとして」「PTA会長として」
- 人間関係:「△△さんの親友として」「□□グループの一員として」
こうした「肩書き」や「役割」を一度に失うことで、「自分は何者なのか」という根本的な問いに直面することになります。
ですが、これは言い換えれば、これまでの”古いセルフイメージ(自己認識)”を手放し、本当にほしい人生を選び取る絶好の機会ともいえるのです。
移住直後の「アイデンティティ空洞化」

教員という肩書と安定したキャリアを手放して移住したブラジルでは、ちょっとした買い物や携帯電話の契約一つにもてこずるような状態。日々の生活を送る上での言葉のスキルや知識が不十分で、無力な赤ん坊に戻ったような気持ちでした。
「教員はつぶしがきかない」なんて世間一般の苦言を耳にしたことは一度や二度でもありませんでしたから、一体自分に何の仕事ができるのかも、わかりませんでした。
とはいえ、弱音を吐いていても未来は変わりませんから、私はキャリアの空白を最小限に抑えることを最優先事項とし、「1年以内に語学をマスターして就職する」と目標を立てました。
ろくすっぽ外出もせず、朝から晩まで机にかじりついている私を見て、当時滞在していたホテルのブラジル人スタッフが「アサミは勉強しすぎだ」と心配し、時々コーヒーやサトウキビジュースを飲みにつれ出してくれたものでした。

ですが、そもそも公務員になったのも、家族の教育の影響があってのことだったため、まっさらなキャンバスを前に「自分は本当は何がしたいのか」を自分の手で選び取ることができることが、嬉しくもありました。
「仕事をしていない自分」というアイデンティティはかなり耐え難いものでしたが、過去のキャリアを一旦手放したおかげで、「本当にやりたいことは何か?」を起点に次のキャリアを選ぶことが出来ました。
そのようにして、私は「書くことが好き」という純粋な動機から、サンパウロの邦字新聞の記者となり、本当に充実した移住生活を送ることができたのです。
移住を成長のチャンスに変える3つのステップ

ステップ1:アイデンティティ空白期を受け入れる
焦ったりジタバタしたりせず、まずはこのアイデンティティの空白期を、「成長過程」「新たなステージへの通過点」として受け入れることが大事です。
ずっと同じ場所、同じキャリアにとどまっていては決して手に入らないチャンスが目の前に広がっています。誰でも得られるわけではないこの機会を、存分に活用することです。
不安や焦燥感は、新しいステージに進むための自然な反応。何事においても大きな飛躍の前には「混沌」がつきものだというマインドセットで、不安や焦燥感も次への踏み台にしていきましょう。
ステップ2:「本当にやりたいこと」を起点に未来を設計する
外的制約が少ない今こそ、本音と向き合う絶好のタイミング。
これまでの自分を形作っていた要素を客観視してみると、思いのほか、かなりの部分が家庭環境・学校教育など、「外から与えられたもの」によって構成されていることに気づくと思います。
海外移住はそうした「他者から与えられたアイデンティティ」を一旦手放し、「自分で選び取るアイデンティティ」で生きていく機会を与えてくれます。
私の場合、「文章を書く仕事がしてみたい」というひそかな想いに気づくことができたおかげで、教員から新聞記者へキャリアチェンジできました。おかげで、ブラジルのあちこちに取材にでかけ、様々な規格外の人たちと出会い、とても充実した移住生活を送ることができました。
ステップ3:小さくアクションを起こす
アイデンティティは「考えている」だけでは変わりませんし、輪郭も明確になりません。具体的な行動を通じて、一歩一歩方向性を確かめながら、納得感ある道を踏み固めていくものです。
- 興味のある分野のオンライン講座を受講する
- 現地のボランティア活動に参加する
- 自己投資して新しいスキルを身につける
- 興味のある職種に応募してみる
やってみると、「あれ、違うな」「こっちじゃないな」ということがわかってきます。その時の自分の心の声に耳を傾けながら、本当に進みたい方向を見つけていきましょう。
まとめ:《人生の再構築》を始めませんか?
私は2度の海外移住で、一種の”強制リセット”を経験してきました。
移住先も自分で決めたわけではありませんが、「レモンがあるならレモネードをつくれ」という諺通り、その時その時の状況で最善と信じる選択をしてきたことで、今、理想とする働き方・ライフスタイルを手に入れることができました。
日本にいると、他人の目が気になったり、社会的な制約があったりで、「やりたいけれどできない」ことがある人もいると思います。
海外移住は、そうした制約を手放して「第二の人生」をゼロから設計できる貴重な機会。
「そうはいっても焦りを感じてしまう」
「一人では中々方向性が決まらない」
という方は、私と一度お話してみませんか?
あなたの中にある「こうありたい」「こう生きたい」というビジョンを掘り起こすには、他者との深い対話がとても有効です。
一人で抱え込まないことで、解決の糸口をより早く見つけることができますから、一人では難しいなと思った時は、ぜひ頼ってくださいね。
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